リーズ、3人暮らし

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リーズ、3人暮らし

~2020年3月に、およそ2年の英国リーズ生活を終えて本帰国しました~

無痛分娩を安心して選択できる病院が、もっと増えたらいいなぁ

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芸人の横澤夏子さんが出産した記事。出産おめでとうございます。
でもこの記事のタイトルを見ると、本当に複雑な気持ちになる。
このタイトルのつけ方、なんだろう?注目すべきはここではないよね。
というか、「情けない」と思うことなんてなにもない。
出産は我慢比べでもなんでもない。

無痛分娩のこと

私はイギリスで無痛分娩で出産した。
選んだ理由は大きく2つ。
ひとつは、おそらく翌日には退院するだろうから、体力を温存したかったこと。
もうひとつは、「鼻からスイカを出すくらい」とかいう、想像もできない出産の痛みが怖かったこと。

無痛分娩を選択したからと言って、最初から最後まで「無痛」で終わるわけではない。子宮口4~5㎝開くまで使えず、陣痛が始まってからも痛みに耐えながら自宅待機。その間、ずっと苦しみ続けながら「このまま痛みに耐えることなんて無理」と思っていた。
そばで見ていた夫も辛かったそう。
なんとか病院にたどりついて、麻酔をしてもらって20分ほどで、驚くほど痛みがなくなった。
「麻酔の力に感動した」といった横澤さんの言葉どおり、本当に感動した。夜中だったこともあって数時間眠ることもできた。


もちろん、無痛分娩を選択できた環境、というのは大きい。
リーズの産科のある大きな病院の2つとも、無痛分娩を選択できる。
夜間でも土日でも、麻酔の先生がいてくれたし、バースプランで無痛分娩を希望していたけれど、当日その時にもきちんと確認してくれた。(しかも日本語の説明文があった)自然分娩を希望していても、その時の希望で無痛分娩に切り替えることもできるという安心感がある。
しかも、常時モニタリングしていたので、ミッドワイフ1人がずっとつきっきりでいてくれた。
いろいろ含めて、イギリスで出産してよかったと思っている。

医療者の技術とマンパワーの問題、クリニックの規模での急変対応、経済的な負担の問題など、いろいろあるけれど、日本でも無痛分娩を安心して選択できる病院がもっと増えてくるといいなと思う。

予定日超過のこと

それともうひとつ、予定日を過ぎても産まれないというのは、気持ちが焦る。私は2日過ぎてからの出産だったけれど、毎日毎日、予定日が近づくたびに不安になるし、予定日の前日には焦ってバランスボールに乗り続けた。
破水なのか陣痛が始まるのか、どうやって始まるのかも誰にもわからない。
あの、そわそわした、今日もまだ前兆がなかった…、もしやこのままずっと…?これ以上大きくなったら出産辛そうと思ってしまう気持ちはなかなかに辛かった。
横澤さんは「笑いながら話していた」とあるが、不安も大きかっただろうなと思う。
誰と比べる必要もなくて、予定日はあくまで予定日であって、家族といつも通り話してリラックスして過ごしていたらよかったんだな、と思う。

これから出産を迎える方が、ゆったりとした気持ちで過ごせますように。