リーズ、3人暮らし

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リーズ、3人暮らし

~2020年3月に、およそ2年の英国リーズ生活を終えて本帰国しました~

やっと完成!イギリスで納豆作り

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初回の納豆作り、ここから始まりました

貴重なたんぱく源の納豆。
中華食材店で納豆パックを購入すると、300円以上するので市販を買うまではちょっと、という思いから自家製納豆に踏み切りました。
そして納豆作りを初めて2か月、8回目でようやく糸を引く納豆が出来上がりました。(まさかこんなにかかるとは…笑)

そもそも、
Q1 大豆って売ってるの?
Q2 納豆菌どうするの?
Q3 発酵になんの器具使えばうまくいくの?

と思っていたのですが…

A1 大豆は売っている
日本人の方にマーケットの量り売りのお店で、オーガニック大豆売ってると教えていただきました。
なんとオーガニック大豆£0.25/100g!400g買っても£1とは安い!
中華食材店でも大豆は売っていますが、マーケットのほうが近くて便利。

A2 納豆菌は何らかの方法で手に入る
① 納豆菌を日本から持ってくる
② ミントなどの植物からとる
③ 市販の納豆パックからとる
どれでもOK。
自然派であれば植物からとる人もいるかもしれませんが
「庭もないし、そのためにミントを育てるのも…」と思って、中華食材店で市販の納豆パックを購入。
4パックで£2.5くらいですが、一度に使う量は1/4パックなので冷凍してあります。

A3 40℃前後で保温できるなら、ヨーグルトメーカー、炊飯器、機械に頼らず温める方法、などがある
うちの場合は、ヨーグルトメーカーはないけれど、そういえば炊飯器の機能に「ヨーグルト機能(42℃)」ついていたな…と思い、主に炊飯器を使うことに。
(オーブン、保温袋に入れて保温、という方法も試してみました)
ただし、炊飯器の保温モードでは試していないです。
この部分が一番試行錯誤したところ。ポイントは、温度・湿度・時間。

いろいろな方法での成功例をネットで見てきて
「簡単にできそう!」と思わせてくれるのはとてもありがたいのですが
どんなところで失敗したか、という情報が意外と助かったので、
私もそんなところについて記録しておきたいと思います。

材料はたったこれだけ(作りやすい分量)
・大豆200g
・市販の納豆1/4個分(大1くらい)

大豆の浸水

まずは一晩水につける必要があるので
金曜の夜に、ざっと大豆を洗ってたっぷりの水につけておく。
翌朝になると膨らんでいるので、ここまでは順調(というか放置しただけ)

豆を煮る

意外にも時間がかかった豆を煮る作業。
そもそも、大豆どころか小豆すら煮たことがない。
1時間くらいでできた人もいれば、4時間くらいかかった人もいるらしい…。2時間くらいで煮たいところ。
一晩つけた水を捨てて、新たに大豆の3~4倍の水を入れて沸騰。

ふと、鍋の蓋はするの?しないの?という疑問が。
蓋をすると沸いてしまい、皮がたくさん剥けてしまっているし、たまに泡立ってすごいことになる。
蓋をしないと、蒸気が逃げて煮えているのかわからない。

というわけで、沸騰までは少し蓋をずらして強火→沸いたら灰汁をとって蓋をして、豆がすこーしおどるくらいのコトコト火力(IHで1~2)で煮る方法がよかった。

2時間後:歯ごたえが残り、指ではつぶせない。

2時間半後:親指と小指でつまんで力を入れればつぶれる、もしくはつぶれないものもある。というわけでまだ。

3時間後:つぶれるようになったが豆によってはまだ固いのもあり、あと一息。

3時間半:ほぼOK。

じっくりやる作業が好きな人はいいけれど、映画「あん」のように樹木希林さんが小豆を煮る優しい雰囲気にはなれず、初回は鍋のそばについて心配の煮豆づくりでした。でも、さすがに8回もやれば慣れます(笑)3時間半のうち、たまに木べらでそっとかき混ぜる以外はほぼ放置。
最初に沸いてしまって豆の皮がどっと剥ける、なんてこともありますが、気にしなければ味はさほど変わりません。
圧力鍋があればもっともっと楽でしょう。

使用物品の消毒~発酵準備まで

・納豆菌を混ぜる器
・スプーン
・納豆を入れる容器(浅めタッパー3つ程度。うちは炊飯器に入る大きさで、重ねられる浅めのものを用意)
・あげザル
・炊飯器の内蓋(ここについた水滴が落ちる可能性があるので念のため)

これらに熱湯をたっぷりかけて消毒。豆が煮あがる前にやればOK。熱湯消毒した器に種菌の納豆1/4パックを入れて、少しだけ残しておいた熱湯(大2くらい)を入れて混ぜ、器の納豆と湯がトロッとしてくるまでかき混ぜる。
煮あがった豆をざるにあげて水切りし、茹でていた鍋に戻して種菌納豆を汁ごと投入。茹でた大豆に絡めるように全体を混ぜる。
手早く、熱湯消毒したタッパー容器に入れる。よくある「豆の高さは3段まで」に従って、だいたい3段✖タッパー3つに入りきりました。
下にキッチンペーパー敷かなくても、大丈夫そう。

大豆の発酵

ここが、成功するかしないかの分かれ道だと思います(7回の失敗から言えること)
炊飯器のヨーグルト機能も過信してはいけません。なぜなら、お釜に大豆を直入れすると、釜の熱で熱くなりすぎ、乾燥してしまうから。

数々の失敗例をいくつか紹介…

・炊飯器のお釜に豆を直入れし、糸の引かない納豆のできあがり(1升炊きなので、豆の重なり具合はだいたい3段程度にできていた)
・炊飯器の内蓋に水滴がたくさん溜まり、さらにそれが落ちて大豆に直撃、これもまた糸引かず
・内蓋の水滴がつかないように蓋を開けていたところ、乾燥大豆のできあがり
・オーブン(うちのオーブン機能は50℃~設定なので、途中つけたり消したり)✖15時間程度したが、感動するほど糸は引かず
・保温袋(内側が毛布素材のようになっている袋)がたまたま家にあり、ジャムの瓶にお湯を入れて、途中2~3回お湯を入れ替えて保温(たいした保温になっていなかった)
・豆の煮る時間が少し短く、発酵後はさらに固めの納豆に(十分な柔らかさになるまで煮ることが大事)
・7回ともほぼすべて12~15時間程度で発酵を終わらせていた

8回目に実行した方法

① タッパーにそれぞれキッチンペーパーでふたをして、輪ゴムで止める。タッパーのふたはしない(発酵には空気が必要)
② 炊飯器の中に3段重ねて置く。
③ 一番上のタッパーの上に、フォークで穴を開けたアルミホイルをおき、水滴が納豆に直撃しないようにかぶせる。このとき、下の段のタッパーにもうっかり水滴が滴り落ちないように気をつける。
④ 炊飯器の内蓋をし、蓋を閉じて、24時間ヨーグルト機能オン。8回目にして初めて24時間やってみたのでした。

24時間後に納豆を取り出してみると…
できあがりの納豆は糸を引いていなかったのですが、容器に移して混ぜてみると糸が…糸が引いている!!!
もう今までのはあきらかに失敗だったな、というくらい、市販の納豆のように糸が引いています。
そしてこの後、約1日冷蔵庫で寝かせてから食べられます。

内蓋はしたほうがいいか、しないほうがいいか、キッチンペーパーが濡れていたら取り換えたほうがいいかについては、正直わかりません。どちらでもいいのかな、と思います。
内蓋をして、びしょびしょでなければキッチンペーパーもそのままで24時間いける気がします。
ちなみに、蓋を開けなければ部屋に納豆の香りが充満することはないので、納豆嫌いの家族がいても大丈夫かと思われます。
ただ、冷蔵庫に入れているとほんのり納豆の香りはします。

「温度・湿度・時間」
どんな方法でやるかは各家庭で違うとして、この3つを自分なりの方法で極めればよかったんですね。
「種菌の量が少ないんだろうか」と思ったりもしたけれど、そうではなかった。
さすがに7回も失敗を重ねれば途中めげそうになり、夫の知恵を借りてなんとかたどり着きました。(そもそも夫はそこまで納豆に執着していなかったが、あまりにも失敗続きなのを見かねたのでしょう…私の代わりに分析してくれていました)諦めなくてよかった。

これからは、大量生産に向けて、300g、400gと量を増やしていけたらいいなと模索中。
そして、納豆にはやっぱりおいしいたれがかかせないので、たれを作って常備して、楽しい納豆ライフを送ろうともくろみ中。